radsのカンタン!放射線診断ブログ

放射線診断、画像診断の医療画像(CTやMRIなど)についてカンタンに紹介したいと思います。

ラジハ9話 

緊急頭部CT

頭部CTでわかること

・出血→白く写る(ことが多い)

あんまりわずかだと、熟練でなければ見つけられないことがありますが、、、

出血のCT値はHt(ヘマトクリット値)という、血液の中の血球成分の割合を表す検査値と、正比例することが知られています。

血球の中にはもちろん赤血球があり、ヘモグロビンを含みます。ヘモグロビンには鉄が含まれ、白く写るというわけです。でも薄まればもちろんほぼ白くないくらいのグレーになってしまうので、指摘が難しいこともあります。

頭の中にはCSFという水があり、そこに脳が浮いています。水はCTでは黒めのグレーにうつるので、つまり、黒いはずのところが黒くない!ところに出血がある、と考えたほうがいいです。出血が白いと思っていては、見逃しのもとです。

 

・骨折

骨に線が入っているところを、くまなく探します。

ただ、人間は生まれてくるときに、頭蓋骨が くっついてないんですが、その名残で、縫合線という、つなぎ目があります。骨折と間違えないようにしないといけないですね。

 

外傷なら、この2つがとても大切でしょう。

他にも脳梗塞も発症から3時間程度以降なら見えます。転倒した原因になることがありますね。

力がかかって脳の神経が切れたりすることもあるので、MRIでないと見えません。DAI びまん性軸索損傷といいます。MRIでも撮影シークエンス(条件)を選んでやっと見えるものなので、どんな検査をするのか選ぶのはとても重要。

 

Bankart lesion

肩関節が脱臼するときにゴリッとこすって骨が折れるときにみられます。スポーツ整形外科的な疾患は経験がないと、なかなか難しい。

 

人間ドック

画像フルコースだと、

・頭MRI

・全身PET-CT

・上部、下部消化管内視鏡

ですかね~

PET-CTでは、糖が全身のどこに取り込まれるかを見るものなのですが、脳はもともとよく糖を消費しているので、PET-CTではきれいに写りません。ので、頭はやっぱりMRIですね。

CTは消化管の上皮にできた癌を検出するのが苦手です。胃や大腸の癌は頻度としてはかなり多いので、これはしっかり直接見て診断したほうがいいでしょう、ということで内視鏡は大事ですね。

これだけ検査すれば、悪性疾患はかなりスクリーニングされるでしょう。

 

スキルス胃がんもPETすれば見つかってたかも?とりあえずリンパ節転移してなければいいな~ってかんじですね。

胃透視はかなり減ってきていますね。できる放射線科医もかなり減っています。だって件数が減っていて経験が減っているのです。でもスキルス胃がんだけはやはり胃透視のほうが明らかにわかるかな~

でも検査中ぐるぐる身体まわされるので、なかなかしんどい検査です。。。検診がんばってください!