ラジハ3話 超音波 (エコー )検査
五十嵐くんはエコーも自分でやっちゃいます!!
放射線技師はふつうエコーはやりませんねえ?ですよね?
でも放射線診断医はエコー使いますね。最近は検査技師がやることが多いですが、医師にとっても、簡便で無侵襲(検査をすることでダメージがない)な検査なので重宝されます。
超音波(エコー)検査は、
その名の通り、超音波を当てて、その跳ね返りを捉え、画像として解釈する検査です。説明が難しいですが、イルカが超音波を出して、海の中の物に当たって跳ね返ってくるのをキャッチすることで、視界を得ているようなイメージですかね。
プローべと呼ばれる、当てる部分から超音波が出て、キャッチして、という機械なんです。
エコーの得意分野は、体表から近いところで空気がないところの検査です。
エコーの機械はめちゃ高額です。しかも雑に扱うと壊れて。。。100万単位で飛びます。
超音波検査は、空気に対して非常に弱いので、患者さんの皮膚との間を隙間なく密着させないとダメ。そのためにゼリーを使います。このヌルヌルが少し気持ち悪いですが、痛くないですし無毒ですし拭いたら綺麗に取れます。
エコー検査は検査する人が、手にプローべをもって、直接あてて、検査を行うため、検査をする人の熟練度によって結果が変わってしまいます。難しいんです。
あとは、簡便な検査で素晴らしいのですが、なんせ画像がそんなに綺麗じゃないので、エコーはあんまり細かいことは苦手です。今回のように小さい乳癌などはなかなか みつからないかもしれないですね。でも最近は機械もかなりよくなっています。
救急の現場や、肝臓など消化器内科、また産婦人科の領域ではよく使われています。
造影MRI
一般的な検査の中ではこれがいちばん高額なのではないでしょうか!?(すぐお金の話をする)。。いやPET–CTの方が高いか。
最終兵器ですね。
乳癌の存在診断よりは、広がりの診断に用いられることが多いとおもいます。つまり、「乳癌ありますか?」っではなく、「乳癌見つかったので、どこまで切除したらいいのか範囲を調べます」ということですね。
あと、けっこう読影の難易度が高いです。典型的でない乳癌や、乳癌に似た良性病変の鑑別(見分けること)が難しい。造影剤の分布の仕方を時間軸で解析して、病変の質的診断(良性か悪性か など)を行います。
造影MRIでは、ガドリニウムGdという金属の入った造影剤を用いており、頻度はかなり低いですが、造影剤アレルギーも存在します。アレルギーの頻度は造影CTほどではありません。とはいえ、絶対安全とは言えないので、適応 (検査をしてもいいか )には十分な理由が必要です。
ーーーーー造影剤アレルギー → https://radiologist-rads.hatenablog.com/entry/2019/04/08/220825
ちなみに、腎機能が悪い (eGFR< 30 )場合は、ガドリニウムが脳に沈着したり 、腎性全身性線維症 (皮膚が痛い、かゆい、硬くなる。治療法は不明 )を発症することがあり、禁忌です (使ったらダメ )。