radsのカンタン!放射線診断ブログ

放射線診断、画像診断の医療画像(CTやMRIなど)についてカンタンに紹介したいと思います。

ラジハ4話 若年女性の気胸

自然気胸というのは、勝手に?いつのまに?気胸になった場合に言われますが、

ふつう、

 

若い

細い

男性

 

に多いんですね。皆さんの まわりにも居てるんじゃないでしょうか?? 

 

今回は若年「女性」でしたね。

珍しいんですよ。なんでかは知らないですが。男性に多いんです。

 

そういうことなので、女性で気胸をみたら、もしかしたら普通の気胸ではなく、他に異常があるのでは??と考えることができます。実際には普通の気胸のほうが多いとは思いますが。

 

よく言われる原因は2つあり、

①胸腔の子宮内膜症

②LAM リンパ脈管筋腫症

というものがあります。

 

子宮内膜症とは、子宮内膜という、月経のたびに流される、赤ちゃんが育つためのベッドのようなものですが、

子宮は卵管という、卵子が通る道を介して、腹腔内(お腹の中)とつながっています。

そのせいか、子宮の内膜組織が、腹腔内に種蒔きのように飛んでしまうことがあり、これを子宮内膜症といいます。

実際にはいろんな説があるわけですが、この子宮内膜組織が、腹水(お腹の中の少量の水)の流れに乗って、上の方まで流れて、

偶然 横隔膜(胸と腹を分けている)に穴が空いている人(結構います)の場合は、胸の中まで子宮内膜組織が遠足してしまいます。

この子宮内膜組織ですが、月経のときには、子宮の内膜と同じように、月経が起こってしまうので、剥がれて血が出ます・・・

もし肺にくっついてしまっていた場合は、月経にあわせて肺に穴が空き、気胸になってしまうということなんです。

 

②LAM 

これは珍しい病気で、肺がスカスカになってしまう体質の人で、穴が空きやすいのです。いずれ肺が使えなくなることがあるので、移植などの手段を考えないといけません。

 

鑑別はあげればもっとあがりますが・・・肺に嚢胞ができる病気(LAMの他に、Birt-Hogg-Dube症候群、間質性肺炎や、ニューモシスチス肺炎などきりがない)